AIはどうやって学ぶのか
前のチャプターで、規則を手で書きこむ機械を見ました。規則をひとつ書けばひとつわかり、書いていないものはわかりませんでしたね。
学ぶ機械はちがいます。人が答えを書いてあげません。まちがえながら自分で直します。
どうしてそんなことができるのでしょう。思っているよりずっと単じゅんです。
どれくらいまちがえたかがわかればよいのです
まとがひとつあるとしましょう。そして回せる数がひとつあります。それを回すと、わたしの答えが左か右へ動きます。
この数を と呼びます。ある合図をどれくらい大事に見るかを決める数 です。つまみを回すように 少しずつ変えます。
どちらへ回せばよいか、どうしてわかるのでしょう。いまどれくらいまちがえているか だけを見ればよいのです。
回したら もっとまちがえた → 反対に回す
回したら まちがいがへった → そちらへ進みつづける
これで全部です。本当にこれで全部です。
この「どれくらいまちがえたか」を と呼びます。
何回で当たりましたか。下のグラフがいましたことです。はじめは大きくまちがえて だんだんへっていく形、これが 学ぶときの形 です。
機械も同じことをします
じどうで合わせてみる を押してみたなら、すこしあっけなかったかもしれません。機械がしているのがこれなのです。
すこし回してみる
もっとまちがえたか、まちがいがへったかを見る
まちがいがへったほうへ もうすこし進む
また1にもどる
かしこいのではありません。速いだけです。 わたしたちが1秒に一回まわすあいだに、機械は1秒に何千回もまわします。
重みが二つになると
重みをもうひとつ を押してみましょう。きゅうにむずかしくなるはずです。
重みをひとつ回すと、答えが どちらも 動いてしまうからです。かた方を合わせると もうかた方がずれます。
本物のAIの中には、この重みがいくつあるのでしょう。何百でもなく、何百万です。もっと多いものもあります。
人がそれをぜんぶ回せるでしょうか。できません。だから機械が回すのです。
このチャプターのよりどころ
- 6 Samuel, "Some Studies in Machine Learning Using the Game of Checkers", IBM Journal of Research and Development 3(3) (1959)
- 7 Samuel, "Some Studies in Machine Learning Using the Game of Checkers. II — Recent Progress", IBM Journal of Research and Development 11(6) (1967)