自分で学習させてみる
1.1 でわたしたちは 規則を手で書きこむ機械とたたかいました。勝てば規則をひとつ入れて、するとまたべつの動物がいて。きりがありませんでしたね。
こんどは反対にしてみます。規則を一行も書かずに 教えます。
わたしがしたことと しなかったこと
教えているあいだに自分がしたことを書き出してみましょうか。
品物を持ってボタンをおしました
名前を書きました
教えるをおしました
わたしが しなかった ことはこれです。
「消しゴムは四角い」と書くこと
「えんぴつは細長い」と書くこと
「コップには取っ手がある」と書くこと
| 1.1 の機械 | いまの機械 | |
|---|---|---|
| 人があたえたもの | 規則 | 写真 |
| 新しいものに出会うと | わからない | 似たほうへ見当をつける |
| ふやすには | 規則をまた書く | 写真をもっととる |
さいごの行がこのチャプターのすべてです。規則は人が書いた分しかふえませんが、写真はただもっととればよいのです。
下がっていったあの線
教える をおすと 線が一本下がっていきましたね。それはどこかで見ました。
1.2 で重みを回したときに見た まちがいの大きさ です。あのときわたしたちは重みを一つか二つ 手で回しました。回すと数がへったりふえたりしましたね。
いましたのは機械がそれをしたのです。ちがうところはひとつだけです。
| 1.2 | いま | |
|---|---|---|
| 重み | 2こ | 3,075こ |
| だれが回したか | わたしが | 機械が |
| していること | まちがえた分だけすこしずつ直す | 同じ |
重みが三千こなら人には回せません。ひとつ回すたびに ほかがずれてしまうからです。だから機械が回します。学習とはそれです。 まちがえた分だけすこしずつ直すことを とてもたくさんくりかえすこと。
だれも正確には知りません
ここで 1.1 でのこしておいた おかしな行にもどります。
規則を知っている人 — だれも正確には知りません
機械が「これは消しゴムです」と言ったとき、どうしてそう答えたのかを聞いてみると。答えられるのは これくらいです。「数が3,075こ こう合わさったら そう出ました。」
その数をひとつずつのぞいてみても「消しゴムは四角い」のような文は出てきません。つくった人にも見つけられません。
AIは つくった人にも正確には見通せない答えを出すことがあります。 1.2 のチェッカーのプログラムがつくった人に勝ったのも 同じ理由です。
だましてみましたか
さいごの段かいで、品物をちがう場所に、ちがう背景に置いてみましたね。どうでしたか。
多くの場合まちがえます。では機械がだめなのでしょうか。
ちがいます。機械はわたしが見せたものを学びました。 いつも机の上の同じところでとっていたなら。機械は「消しゴム」ではなく「机の上の左にあるもの」を学んでいたかもしれません。
同じ機械、同じやり方なのに 自分があたえた写真が変わると まったくちがうものを学びます。
だから写真をもっととって教え直すとよくなったのです。新しい思いつきを入れたのではなく 材料を変えたのですね。1.3 で見た話が ここでも出てきます。
では その中では何が起きているのでしょう
重みが3,075こ合わさったと言いましたね。その重みは正確にはどこについているのでしょう。
次のチャプターでふたを開けます。
このチャプターのよりどころ
- 8 "New Navy Device Learns By Doing", The New York Times (1958-07-08)
- P6 写真を数に変えるところまでが MediaPipe です。何であるかを決めるさいごの層は ここで自分で学習させます